季節の花鉢~ポットマム~
ポットマムとは

学名 | Dendranthema × grandiflorum |
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その他の名前 | スプレー菊、スプレーギク(スプレーマム),西洋ギク,ガーデンマム |
科名/属名 | キク科/デンドランセマ属 |
分類 | 多年草 |
開花期間 | 9月から11月 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 普通 |
ポットマムとは、1950年代にアメリカで矮性園芸品種として育成された鉢植えのキク(マム)を指します。
キクにはさまざまな分け方がありますが、ここでは、ポットマムやスプレー菊と呼ばれる、洋菊(西洋ギク)の仲間を扱います。どれもアメリカで鉢植え向きに品種改良され、日本に入ってきたため、洋ギクと呼ばれることがあります。
本図鑑では、以下の項目でキクの仲間を扱っています。
育て方のポイント
栽培環境・日当たり・置き場
通年、日当たりのよい屋外で育てます。鉢植えの場合は、泥がはねかからないよう、下に敷物をするか、一段高くなった場所で管理します。開花期は雨のかからない場所へ移動させると、花が傷まず、長く楽しむことができます。庭植えの場合は、一段高くなった花壇や傾斜地など水はけのよい場所を選び、泥はね防止にバークやわらなどを敷きましょう。花後に地上部を切り取っておくと、晩秋から株元に冬至芽と呼ばれる、ロゼット化した太い芽ができます。冬至芽は寒さに当たることで春から成長を開始するので、開花後は屋外で寒さに当ててください。
水やり
通年、用土の表面が乾いたらたっぷり与えます。特に開花中の水切れは花が早く散る原因になるので、気をつけてこまめに水を与えましょう。
肥料
3月ごろ、春先に芽が伸び始めたら10月まで、緩効性化成肥料(N-P-K=10-10-10など)を施します。鉢植えは、蕾が大きくなる10月に、液体肥料(N-P-K=6-10-5など)も併用しましょう。庭植えの場合は3月から10月まで緩効性化成肥料だけで十分です。
病気と害虫
病気:葉枯病、さび病
葉枯病は、センチュウによって葉が枯れてしまう病気です。被害が出た葉は速やかに取り除いて、清潔に保ちましょう。
さび病は、葉に斑点ができ、ひどくなると葉が枯れてしまう病気です。新芽の伸びる春から初夏に殺菌剤を散布すると、その後の発病が減ります。
害虫:アブラムシ、ヨトウムシ、キクスイカミキリ
アブラムシ、ヨトウムシが通年発生します。
キクスイカミキリは5月に発生します。茎の先端が急にしおれたら、この虫による被害である可能性が高いでしょう。しおれた部分に卵か幼虫がいるので、茎ごと長めに切り取って捨ててください。ヨモギなどのキク科の雑草が近くにあると、発生が多くなるので取り除いておきましょう。
用土(鉢植え)
水はけと保肥性のよい、有機質に富んだ弱酸性の用土を好みます。赤玉土中粒5、腐葉土3、酸度調整済みピートモス2の配合土などに、リン酸分の多い緩効性化成肥料(N-P-K=6-40-15など)を適量加えるとよいでしょう。
植えつけ・植え替え
毎年、3月から5月に行います。古い用土を落とし、しおれた部分を切り取ってから植え替えましょう。株分けも同時に行うことができます。
ふやし方
さし芽
適期は5月から6月です。太く充実した新芽の先端を5cmほどに切り取り、発根剤をつけて清潔な用土にさします。日陰で管理すると2~3週間で移植可能な苗になります。
主な作業
摘心、切り戻し:適期は4月から7月です。摘心や切り戻しによって分枝が促され、草丈を低く仕立てることができます。強く摘心や切り戻しを行うほど発生する枝数は少なくなり、1本が太く育ちます。弱く摘心や切り戻しを行うと、発生する枝数が多くなります。
初心者の方でも非常に強く育てやすいので是非この機に育ててみてはいかがでしょうか?